近年、ゲーム業界におけるip(Intellectual Property)の重要性がますます高まっています。ipとは一体何なのか、その価値はどの程度なのか、また、ipを活用するビジネスの種類や扱える職種はどのようなものがあるのか。今回は、これらの疑問に答えるべく、ゲーム会社におけるipの基本から、活用事例、メリット・デメリット、未来予測までを網羅的に解説していきます。ipを活用したゲーム作りに興味がある方や、ゲーム業界への転職を考えている方にも有益な情報が満載です。それでは、ゲーム業界におけるipの世界へ一緒にふみ込んでいきましょう。
ipとは?ゲーム業界では何を示す?
ゲーム業界で言う「ip」とは、Intellectual Propertyの略で、「知的財産」と訳されます。これには、キャラクター、ストーリー、世界観、音楽など、ゲームを構成する多くの要素が含まれます。そして、それらは単なるコンテンツとしての価値だけでなく、ブランドとしての価値を持つことで、様々な形で商品化やメディアミックスが行われ、ビジネスを拡大していくベースとなります。
ipの価値
ipの価値は、その独創性や認知度、そしてファンの熱心さによって決まります。人々の記憶に深く刻まれるキャラクターやドラマティックな物語は、ゲームを超えて映画やグッズ、スピンオフ作品として展開され、そのたびに新たな価値を生み出します。例えば、ポケットモンスターやマリオのような有名ipは、ゲーム以外でも幅広い層に認知され、企業の強力な資産となっています。
大ヒットゲームの源泉!IPビジネスが注目される理由
近年のSNSの普及や動画配信サービスの影響により、ユーザーはより多様なコンテンツに触れる機会が増えました。その中で強力なipは、目新しいコンテンツに埋もれることなく、効果的にユーザーの関心を引き付ける要素となります。また、キャラクターをこよなく愛する日本人の心情をつかむipは、多くのファンを生み出す可能性が高いため、ビジネスチャンスとして非常に価値があると言えるでしょう。
ipビジネスの種類
ゲーム業界においてipを活用するビジネスには様々な形態があります。ライセンス販売では、自社のipを他社に使用許可することで収益を得ます。コンテンツ販売には、オリジナルゲームのほか、アニメ化や映画化による収益化が含まれます。そしてノウハウ販売では、ゲーム開発の技術や運営ノウハウを提供することで、収益を上げるビジネスモデルです。
自社ipと他社ipとは

自社ipとは
自社ipとは、企業が独自に生み出し所有する知的財産のことを指します。これらは企業のオリジナルコンテンツとして、ブランドイメージの向上や収益源として活用されます。自社ipの強みは、全ての権利が自社にあるため、自由度が高いことです。企業は自社ipを用いて、様々な商品開発やマーケティング活動を展開できます。
他社ipとは
他社ipとは、他の企業や個人が所有する知的財産のことで、これらを使用するためには、ライセンス契約を結ぶ必要があります。他社ipの利用は、自社の製品やサービスに付加価値を与え、ターゲット層の拡大やブランド認知度アップを図ることができます。ただし、使用には権利料の支扴あが伴います。
自社ipのメリット・デメリット
自社ipを持つメリットとしては、製品開発の自由度やブランドの強化、そして独自性を出しやすい点が挙げられます。一方のデメリットは、知名度の確立やファンベースの構築に時間とコストがかかることです。自社ipの成功は、市場にうまく受け入れられるかにかかっています。
他社ipのメリット・デメリット
他社ipの最大のメリットは、既存のファンがいることでリリース初期から注目を集めやすいことです。しかし、デメリットとしては、契約に伴うコストの負担や使用に関する制限が多い点が挙げられます。また、他社ipのイメージに依存することで、自社ブランドの育成が遅れる可能性も考えられます。
導入しやすいipビジネスは
ゲーム業界において導入しやすいipビジネスとしては、特に「ライセンスビジネス」が挙げられます。ライセンスビジネスは、自社ipのキャラクターやロゴなどを他社製品に使用させることで、版権料を得るビジネスモデルです。この方法では、自社で物理的な製品を生産する必要はなく、知的財産の権利を有効活用することで効率的に収益を上げることが可能です。例えば、「しろたん」や「リラックマ」などのキャラクターが様々な商品でライセンスされ、広く認知されています。
ゲームipを活用するメリットとデメリット
ゲームipを活用するメリット
ゲームipを活用するメリットには、ブランド力の向上、確固たるファン層の確保、新規ユーザーの獲得などがあります。ipを持つゲームは、その世界観やキャラクターが愛されることで、シリーズ化や異なるメディアへの展開がしやすくなります。これにより、一過性ではなく長期にわたって収益を得ることが可能になります。
ゲームipのデメリット
ゲームipのデメリットとしては、ip自体のブランド力が落ちた場合に、関連製品やサービスの魅力が低下することがあります。また、特定のipに依存しすぎると、そのipのイメージから脱却しづらくなる可能性もあります。さらに、ipを維持・強化するためのマーケティングやコンテンツ開発には継続的な投資が必要です。
ゲーム業界でipに携わる仕事!種類、役割

ディレクター・イラストデザイナー
ゲーム業界でipを扱う職種として重要なのが、ディレクターとイラストデザイナーです。ディレクターはゲーム全体の方向性を決定し、ipの魅力を最大限に引き出すための演出やシナリオの構築を行います。一方、イラストデザイナーはキャラクターや世界観のビジュアルを創り出し、ipの顔となる重要な役割を担っています。
ipタイトルのプランナー
ipタイトルのプランナーは、ゲームの企画やコンテプト、システム設計を行う職種です。プランナーは、ipの魅力をゲームとしていかに体現するかを考えることが求められ、また、他のメディア展開も視野に入れた内容の企画が必要とされます。
ゲーム業界の転職に有利になる条件
ゲーム業界の転職において有利となる条件は、ゲーム制作に関する専門知識と経験はもちろんのこと、特定のipを理解し、それを活かした企画ができる能力です。また、多角的な視点からipの潜在的な価値を見出し、新たなビジネスチャンスを創造できる創造力と提案力も重要とされます。
メタバース時代におけるipビジネスの可能性:ゲーム業界の未来を展望
ゲーム業界におけるipビジネスの未来は明るく、その展開はますます多様化が進むと考えられます。グローバル市場における日本のipの強みは、その独自性とクオリティの高さです。今後、新たな技術との融合により、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)などの分野でのip活用も加速し、エンターテイメントの新たな形が生まれることが期待されます。さらに、ipを核としたコミュニティ形成やファン参加型のコンテンツ創出も、今後のトレンドとなるでしょう。
ゲーム開発の基盤を支える仕事!自社ip職種の責任とやりがい
ゲーム業界で自社ipを扱う仕事に関わるためには、まずipの本質的な価値を理解し、それをどのように展開・強化していくかのビジョンを持つことが重要です。また、マーケットのニーズやトレンドを的確に捉え、柔軟な発想で新しいアイデアを生み出す力も必要とされます。自社ipを成功させるための経験やスキルを積みながら、ゲーム業界でのキャリアを築いていきましょう。
ここまで、ゲーム業界におけるipの概念から活用方法、そして扱う職種について詳しく見てきました。ipはゲーム業界にとって非常に重要な資産であり、その活用は企業の成長と直結します。この記事を参考に、ゲーム業界でのipビジネスに興味を持ち、さらなる理解を深め、将来に繋げていただければ幸いです。