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データベースエンジニアとは?仕事内容・年収・将来性・必要スキルをわかりやすく解説

IT/Web業界

近年、データベース技術の進化が進んでいるため、最新技術を扱えるデータベースエンジニアの需要が高まっています。しかし、データベースエンジニアの仕事内容や関連職種の違いがわからない人も多いでしょう。

そこでこのコラムでは、データベースエンジニアの仕事内容や必要なスキル、年収やキャリアパスなどを解説します。データベースエンジニアとして活躍するための資格も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

データベースエンジニアとは

データベースエンジニアは、データベースの設計、開発、運用、管理を担当する技術者です。

情報のデジタル化が基本となった現代において、企業は膨大なデータを適切に保管し、必要な時に迅速に取り出せることが欠かせなくなっています。この背景を踏まえて、データベースエンジニアは、データの格納や取り出しを可能にするための設計から開発、保守・運用までを一貫して行います。

データエンジニア・データサイエンティストとの違い

データベースエンジニアがデータの保管と管理というインフラの構築・運用に特化するのに対し、データエンジニアとデータサイエンティストはデータ分析とその活用を専門とします。

データエンジニアの仕事は、データ分析が可能な環境を整えること、データ基盤の設計・構築、データの整理や処理システムの構築などです。

一方、データサイエンティストは、データエンジニアが整備した基盤上のデータを統計学や機械学習を用いて分析し、ビジネス上の意思決定や問題解決に役立つ洞察を抽出したうえで対策を提供します。

三者はそれぞれ異なる役割を持ちますが、データの活用という目的達成のために連携することが多い職種です。

データベースエンジニアの仕事内容

ここではデータベースエンジニアの仕事内容を4つの分野にわけて解説します。

データベース設計

データベースエンジニアは、顧客のニーズをヒアリングし、管理すべきデータの質や量を踏まえて最適なデータベースの開発・設計を担います。この際、Oracle DatabaseやMicrosoft SQL Serverなど、データベース管理システムの特性を理解し、最適なものを提案・使用することが求められます。

設計の質は、システムの整合性や業務効率を大きく左右するため、システムの品質を担保する重要な工程です。

データベース構築

設計書や仕様書に基づき、データベースのサーバー構築や、データベース管理システム(DBMS)のインストール、データベースやテーブルの設定といった構築を行います。またセットアップの後の動作確認、データのインポートなどもデータベースエンジニアの仕事です。

データベース運用・保守

構築・セットアップが完了した稼働中のデータベースに対し、アクセス権の管理やデータのバックアップなどの運用業務を行います。データの適切な保存状態を維持するため、これらのメンテナンス業務を定期的に実施しなければなりません。

また、仮にデータベースにトラブルが発生した場合、調査・対応を行うなど、システムの安定稼働を支える役割もあります。さらに、使用しているミドルウェアのバージョンアップなど、長期的な運用を見据えたメンテナンスもデータベースエンジニアの仕事に含まれます。

セキュリティ・可用性の確保

運用段階でのデータベースシステムを安定的に稼働させるため、メンテナンス作業を行います。これには、定期的なデータのバックアップや、利用状況に合わせたセキュリティ対策の実施が含まれます。

また、データベースへのアクセス権の設定や、使用しているミドルウェアのサポート期限が近づいた際のバージョンアップなど、システムの品質を維持し、情報資産を保護するための多岐にわたる活動を担います。

データベースエンジニアに必要なスキル

ここではデータベースエンジニアに必要とされる4種類のスキルを解説します。

技術スキル

データベースエンジニアには、まずSQLを用いたデータの操作スキルが不可欠ですし、大量のデータを扱う際のパフォーマンスチューニング能力も要求されます。

また、効率的なデータ管理を実現するためのDB設計力やテーブルの正規化、サイジングなどのスキルも欠かせません。

さらに、サイバー攻撃や不正アクセスから機密データを守るため、セキュリティ知識は必須であり、アクセス権限の設定やデータ保護の仕組み構築を行う必要があります。

製品知識

データベースエンジニアには、取り扱うデータベース管理システム(DBMS)に関する十分な理解が不可欠です。

主要なDBMS製品としては、Oracle Database、MySQL、PostgreSQL、Microsoft SQL Serverなどがあります。DBMSは、トランザクション管理機能による同時アクセス制御や、データの暗号化・不正アクセス防止のためのセキュリティ機能など、データベースを効率的かつ安全に管理するための仕組みを提供します。

エンジニアは、これらの製品の特徴を理解した上で、システム要件に最も適合した製品を選定する役割を担います。

クラウド知識

クラウド技術の急速な発展に伴い、AWS、Google Cloud、Microsoft Azureなどのクラウドプラットフォームを扱うスキルはデータベースエンジニアに不可欠なものとなっています。また、クラウド環境でのデータベース設計・開発が主流となる中で、高可用性やスケーラビリティ、コスト最適化を実現する運用知識も重視されます。

運用段階では、従来の物理サーバー管理に加え、クラウドサービス上でのサイバー攻撃対策、適切な権限設定、そしてバックアップ管理などのセキュリティ対策が必須です。

コミュニケーション能力などのソフトスキル

データベースエンジニアは発注者の要望の聞き取りやチーム内の打ち合わせ、手掛けたデータベースの説明やトラブル対応などで人と接することが多いため、コミュニケーションスキルは欠かせません。

また、適切に仕事を進めていくうえで、自発性やチームワーク、創造性などのソフトスキルがあるほど有利です。

データベースエンジニアに役立つ資格

この項目では、データベースエンジニアとして活躍するうえで、持っていると有利な資格を紹介します。

ITパスポート試験・基本情報技術者試験

ITパスポート試験は、IT業界での経験が少ない人にもおすすめの資格試験です。合格を目指して学ぶことで、ITの基礎知識に加えて情報セキュリティや情報モラル、企業コンプライアンスや経営戦略のほかマネジメント的な知識が身につきます。

基本情報技術者試験は、ITパスポート試験よりプロ向けの国家資格で、情報処理に関する知識と技能を証明してくれます。合格に向けて学習することで、IT関連業務全般の基礎知識が身につきますし、合格すれば就職や転職時のアピール材料にもなります。

OSS-DB技術者認定試験

OSS-DB 技術者認定試験(オープンソースデータベース技術者認定資格)は、オープンソースデータベース「PostgreSQL」についての知識や技術を認定する試験です。

中級技術者向けのOSS-DBSilverと上級者向けのOSS-DBGoldがあるので、レベルに合わせた受験ができます。出題内容はOSS-DBの一般知識や運用、開発/SQLなどで、業務経験者であってもしっかり学習していく必要があります。

データベーススペシャリスト試験(DB)

データベーススペシャリスト試験(DB)は名称の通りデータベースに特化した資格試験であり、例年合格率20%を切る高難易度資格です。

出題内容はデータベースの設計や管理・運用、パフォーマンスチューニングやバックアップ、復元方法など多岐にわたります。高難易度の試験なので、あらかじめ学習時間を確保して、計画的に学ぶことが必要です。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、ITに関連する知識やスキルを問う国家資格試験で、近年の合格率が20%代の高難易度で知られています。

出題範囲は大きくテクノロジー系、マネジメント系、ストラテジー系に分けられますが、テクノロジー系だけでもIT全般をカバーする必要があるため非常に膨大です。このため、過去問に取り組んで得意分野や不得意分野を把握し、どの程度の学習が必要かを把握したうえで学習を始めることをおすすめします。

ORACLE MASTER

ORACLE MASTERはデータベース関連で高いシェア率を誇るORACLE製品を扱うスキルを問う資格試験です。また、合格に向けて学習することで、データベースに関する基礎的知識を身につけることができます。ブロンズとシルバーは条件なしで受験できますが、ゴールド以上は一つ下のレベルに合格していなければ受けられません。

国際資格なので、海外企業と仕事をする際のアピールにも使えます。

Microsoft認定資格(Azure Database Administrator)

Microsoft認定資格(Azure Database Administrator)は、名称の通りMicrosoft社が自社製品であるAzureに関するスキルを認定するベンダー資格のひとつです。

データベース管理者向けの中級資格であり、データベースソリューションに関するスキルを持つことが問われます。また、受験に向けて学習することで、データプラットフォームの計画や実装などを学ぶことが可能です。

データベースエンジニアの年収

「求人ボックス給料ナビ」によれば、2025年9月29日現在のデータベースエンジニアの平均年収は475万円でした。

ちなみに、国税庁が発表している「令和6年分 民間給与実態統計調査」(2025年10月16日現在、国税庁が出している情報では最新)では日本の給与所得者の平均年収は478万円であり、そのためデータベースエンジニアは日本の平均とほぼ同等の年収を得られる仕事だとわかります。

データベースエンジニアのキャリアパス

ここではデータベースエンジニアのキャリアパスを解説します。

スペシャリスト型

データベースの技術は日進月歩で進化しているため、技術を極める道にも終わりはありません。その点に着目して、高度なデータベース設計を追求し続ける人や、データベースチューニング(最適化)の専門家として活躍する人がいます。

マネジメント職より技術者として生きていきたい人、最新技術を扱う際に胸が躍る人にはこのキャリアパスがおすすめです。

マネジメント型

データベースエンジニアとしての技術を高めつつ、マネジメントスキルを高めてプロジェクトマネージャーになる人もいます。また、データベースをはじめとする技術知識に運用方法や経営戦略などの目線を加えて、ITコンサルタントになる方法もあります。

これらのキャリアパスは技術面だけにこだわるのではなく、全体を俯瞰して管理していくことを望む人におすすめです。

横展開型

データベースエンジニアの関連職であるデータエンジニアやセキュリティエンジニア、AIエンジニアなどに横展開するキャリアプランもあります。この方向性は、エンジニア職は続けたいものの、データベースではない方向に目を向けたい人におすすめです。

データベースエンジニアに向いている人

この項目では、データベースエンジニアに向いている人の特徴を解説します。

論理的に物事を考えられる人

論理的思考方法が身についている人は、データベースエンジニアに向いています。そもそもエンジニア職は問題の解決や仕様の実現などが仕事なので、ひらめきで行動する人より、論理に沿って仕事を進めていくことが重視されます。

細かい作業を正確に行える人

データベースエンジニアは大量のデータを扱い、運用していく仕事です。そのため、細かい作業を正確に行える几帳面さが求められます。また、地味な仕事を継続する集中力や忍耐力もあるとなおよいでしょう。

新しい技術やデータ分析に興味がある人

データベースに関連する技術は日々進化を続けています。そのため、新しい技術に常にアンテナを張り、関心を持ち続ける素養も重要です。

また、データは管理するだけでなく分析して活用する場合も多いため、分析能力があるとデータベースエンジニアとして活躍しやすいでしょう。

まとめ

データベースエンジニアという職種について、仕事内容や関連職種との違い、必要なスキルや平均年収などをまとめました。また、データベースエンジニアに向いている人の特徴や将来的なキャリアパスなども解説しています。

データベースに関連する技術は次々と新しくなっているため、最新技術に対応できるデータベースエンジニアを求める企業は多数存在します。この点を踏まえて、データベースエンジニアに興味がある人や、データベースエンジニアを目指している人は、ぜひこのコラムを参考にして、就職活動や転職活動に役立ててください。