「収入を増やしたい!」「スキルアップしたい!」と思っているエンジニアであれば、副業を考えることもあるでしょう。しかし、「何から始めたらいいかわからない」という人も少なくないと思います。
そこでこのコラムでは、エンジニアの副業をガイドするためのお役立ち情報を多数解説します。ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
エンジニアが副業を始める理由
エンジニアが副業を始める理由には個人差はありますが、ITエンジニア・クリエイター専門のエージェントであるレバテックが2023年に行った調査では、約59%が収入のアップを目的としているとわかっています。また、2番目の理由がスキルアップやステップアップで約21%、3番目が趣味で約11%などが挙げられています。
さらに、副業人材マッチングサービスlotsfulが、IT人材に向けて2024年に行った調査では、半数以上が副業の経験があるという結果が出ています。
このようにエンジニアの副業率が高い要因としては、DX(デジタルトランスフォーメーション)の波によりエンジニアが不足していることが考えられます。
2025年6月現在、「エンジニア 副業」などのキーワードでWeb検索を行うと多数の求人がヒットすることから、日本社会にエンジニアの副業需要があることは間違いありません。つまりエンジニアが副業を始める理由は、個人としては収入アップやスキルアップなどの自己実現がある一方、社会としてはエンジニアへの需要が供給を上回っている実情があるためです。
エンジニアが副業をすることで得られるメリット
ここでは、エンジニアが副業を行うことによって得られるメリットを解説します。
収入アップ
エンジニアのスキルは専門性が高い場合が多いため、副業で月に10万円以上稼ぐ人もいます。金額の大小は副業の内容や仕事量によって異なりますが、副業を行えば収入がアップすることは明確です。収入アップの動機には、生活の向上や貯蓄増加、欲しいものの購入など個人差があるでしょうが、収入が増えるのは誰にとっても喜ばしいことです。
スキルの幅が広がる
副業を行えば、普段触れることがない仕事に携わる機会が増えます。すると収入を増やしながら、エンジニアとしてスキルの幅が広がるメリットを得られます。
キャリアの選択肢が増える
副業によってエンジニアとしてスキルや経験値が増えれば、将来的にキャリアアップしやすくなります。また、キャリアの選択肢が増えることも期待できます。
新しい人脈の形成
副業を行うと、普段出会えない人と巡り合う機会が増えます。ときにはエンジニア同士の情報交換や優秀なプロジェクトマネージャー、リスペクトできるクライアントに会える可能性もあるため、人脈の拡大が期待できます。
フリーランスへの足がかりになる
エンジニアの中には、「いずれ独立したい」、「フリーランスとして会社に縛られずに働きたい」と思う人も多いでしょう。そんな人にとって、副業は試運転のような役割を果たします。いきなりフリーランスになって、「思ったほど稼げない」、「やってみたら合わなかった」といった事態に陥ると困りますが、本業を維持した状態なら、生活基盤を失うことなくフリーランスの足がかりを作ることが可能です。
エンジニアに人気の副業ジャンルと報酬相場

ここでは、エンジニアに人気がある副業のジャンルと、得られる報酬の相場を紹介します。実際に得られる報酬はスキルや案件によって幅がありますが、副業を検討する参考にしてください。
Webアプリ開発
Webアプリ開発はSNSの環境構築やEコマースサイト関連などで多数の需要があります。また業務内容としては、機能の追加やバグ修正、新機能の開発など案件によってさまざまです。
所有するスキルや経験、受注案件によって金額は大きく変わりますが、Webアプリ開発用の言語は習得しやすいものが多いため、経験が浅い人でも取り組みやすいメリットがあります。
Webアプリ開発副業の報酬は、1案件あたり10〜50万円が相場です。
サイト修正・保守
サイトの修正や保守もエンジニアの副業として人気があります。この種の副業は比較的短期間でできる仕事もあるので、「副業を試してみたい」、「副業で少し収入を上げたい」という人にもおすすめです。
また、保守の仕事は継続的に行う必要があるので、長期的に副業を確保しやすいメリットもあります。
なお、副業でサイト修正や保守を行う場合の報酬の相場は、月あたり3〜15万円です。
プログラミング講師
プログラミングの知識や技術を教える基盤がある人なら、講師を副業にすることもできます。講師の仕事は短時間の副業として取り組みやすいメリットがあります。また、オンラインで講習するなら自宅で副業ができますし、人の成長を見守る喜びも得られます。
プログラミング講師の報酬は、1時間あたり3,000〜5,000円が相場です。
スキル教材販売
エンジニアとしてのスキルや経験を生かして自分なりのスキル教材を作成し、販売する人もいます。「個人が作ったものが売れるのだろうか」と思われるかもしれませんが、実際に世の中には多数の例があります。
スキル教材販売は設定単価や販売数などで得られる収入が異なるため、月あたり1万円〜数十万円と大きな幅があります。
インフラ構築・移行
インフラ関連の副業にはネットワークやクラウド、セキュリティなど、多数の種類があります。特にクラウドにおけるインフラ構築や移行は案件数が多く、スキルがあれば高収入も望めます。
インフラ構築・移行の副業の報酬は、案件あたり15〜60万円が目安です。
働き方別・副業スタイルと向いている人
ここでは、確保できる時間や働き方を踏まえて、向いている副業スタイルを紹介します。
週1~2日稼働型:土日を活用して安定収入
本業で平日は忙しい人でも、スキルがあればエンジニアとしての副業は可能です。このタイプの人は、納期の幅があり、月単位でできる仕事を選ぶと良いでしょう。
ただし、心身を休めたり、プライベートを楽しんだりできなくなる可能性があるので、健康管理や家族との時間確保などにはご注意ください。
単発・短期型:隙間時間でスキル磨き
「まとまった時間を取るのは難しいが、隙間時間はある」という人には、単発で短期の仕事がおすすめです。またこれから副業をはじめる人にも、最初は短時間で終わる仕事を推奨します。最初は小さな案件に取り組むことで、本業や日常生活を維持しながらどの程度の副業ができるかを確認できるからです。
フルリモート型:場所に縛られず働く
特定の場所に行く必要がないフルリモート案件は、Wi-Fiさえあれば場所を選ばず働けるのがメリットです。また、外国語で技術的なやり取りもできる人なら海外の案件を探す手もあります。
フルリモートということは細かい確認や頻繁な指導が不要な上級者という前提か、初心者でもできる内容なのでリモートとなっている場合が考えられます。上級者向けの案件なら高収入が期待できますから、スキルにあった案件を選びましょう。
副業を始める前に知っておきたい注意点

副業には複数のメリットがありますが、注意すべき点もあります。そこでこれから副業を始める人に向けて、事前に知っておくと役立つ注意点を記載します。
副業禁止規定の確認をしておく
会社によっては副業を禁じているところもありますから、副業を始める前に本業の会社規定などを確認しましょう。知らずに始めて上司などに察知された場合、何らかの罰を受ける可能性もあります。本業を支える生活基盤を損なっては本末転倒です。
税務処理と確定申告の知識を付ける
年間の副業収入が20万円を超えると確定申告が必要です。年間20万円を月平均すると約1.7万円ですから、副業で毎月左記の金額以上の収入を得ようとするなら、確定申告は行うものと考えておくべきです。
確定申告は毎年2月16日から3月15日が提出期間と定められており(3月15日が土日であれば、期限日は週明けにずらされます)、その期間に申告書を提出しましょう。
また、申告に当たっては経費を計上することで税額を抑えることも可能です。何が経費としてあげられるのかを学んで税負担を軽減することをおすすめします。
トラブルを避ける契約と納品管理のコツをおさえる
副業を行う際には、金銭のやり取りが生じるのでトラブルが発生することもあります。相手が企業であれば業務委託契約を交わすことが一般的です。業務完了条件や守秘義務に関する条項などを知らずに仕事をするとトラブルが起きがちなので、契約を交わす前に内容をしっかり確認してください。
また、副業の場合知人から仕事を受けることもあり、知った仲だから、と契約をおろそかにすることもあるかもしれません。しかしお金のやり取りをする以上、トラブル回避のために知人同士でも契約を交わしましょう。
副業を探せるサービス・フレームワーク別比較
この項目では、副業を探す際に役立つサービスやフレームワークを、種類別に解説し代表的なものを紹介します。
フリーランスエージェント
フリーランス向けのエージェントに登録すると、希望にあう案件が発生した際にアナウンスしてくれます。そのため仕事を探したり営業したりする負担が軽減できるメリットがあります。比較的高単価な案件が多いので、エンジニアとしてのスキルや経験が豊富な人におすすめです。
フリーランスエージェントを利用すると中間マージンを差し引いて報酬を受け取ることになります。その相場は報酬の20~30%なので、その分を差し引いて仕事を受けるかどうか検討しましょう。
代表的なフリーランスエージェントとしては、レバテックフリーランス、Midworks、クラウドワークス テックなどがあります。
クラウドソーシング系
クラウドソーシングのプラットフォームから自分にあう仕事を探して受注を希望し、正式に依頼されれば仕事をすることができます。高単価の案件もありますが、フリーランスエージェントに比べると安価な仕事が多いです。その分、エンジニアとしての経験が浅い人や、副業を始めたての人におすすめです。
多くの場合、評価システムがあり、業務の雑さや納期遅れなどがあると低く評価されます。すると仕事が取りにくくなるので、遅れやミスが出ないよう丁寧に仕事を進めましょう。
代表的なクラウドソーシングサービスには、クラウドワークスやランサーズ、ココナラなどがあります。
スキル販売・人脈型マッチング
スキル販売とは、自分がもつスキルを特定のプラットフォームにあげ、購入してもらうことで報酬を得るシステムです。エンジニアがWebサイトの作成やプログラミング、システム構築などのスキルを販売している例もありますし、その中には副業の人もいます。タイムチケットやシューマツワーカーなどがこの仕組みを有しています。
人脈型マッチングは、Facebookなどで人脈を可視化し、信頼性を高める仕組みをもっています。Anycrewはこの仕組みを有するフリーランスや副業向けのマッチングサービスです。
副業で成功するエンジニアの共通点
この項目では、副業で成功するための要素を紹介します。これらの点で自身がある人は副業が始めやすいですし、自分にかける点があると思う場合注意深く副業に取り組みましょう。
「信頼」と「納期遵守」を何よりも大切にする
品質の高い仕事を提供し、納期を守れる人は副業に向いています。これらの要素は、依頼者の要望や求められる水準を把握すること、日程を管理することなどのスキルに分解できますが、信頼や納期厳守など社会性を重視する意識が重要です。
案件選びを丁寧に行う
案件を選ぶ際に、報酬の良さだけを見て飛びつくと「自分のスキルでは難しかった」といった失敗をしがちです。そのため依頼内容をよく見て、スキルや素養、確保できる時間に合っているかを確認できる人は副業に向いています。
副業であっても積極的に営業や自己PRをする
副業に対しては取った仕事を淡々とこなし、発注者にもドライに接するという人もいます。それが悪いわけではありませんが、積極的に自己PRをしたり次の案件を求めたりできる人の方が、継続的に副業を獲得しやすいでしょう。
まとめ
エンジニアの副業について、メリットや報酬の相場、注意点などをまとめました。エンジニアとしてのスキルや経験が豊富な人なら、副業でも高収入が得られる場合もあります。また、「隙間時間で少し稼ぎたい」、「フリーランスとして独立する足がかりにしたい」といった要望を叶えることも可能です。
ただし、本業に支障が出るリスクや、金銭トラブルなどもあり得るので、ぜひこのコラムの注意点を参考にしてください。


