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サーバーエンジニアの実態は?きつい?やりがいは?将来性や必要スキルを解説

IT/Web業界

IT環境を支える職種のひとつとして、サーバーエンジニアがあります。近年、サーバーはオンプレミスからクラウドに移行しつつあるため、最新技術を扱えるサーバーエンジニアの重要度も上がっています。

このコラムでは、そんなサーバーエンジニアの仕事内容や年収、キャリアパスなどを解説していきます。

サーバーエンジニアとは

サーバーエンジニアは、コンピューターシステム運用に用いるサーバーの設計、構築、運用、管理を担う技術者です。

しかしひとくちに「サーバー」と言っても、Webサイトの閲覧やメールの配信など用途はさまざまであるため、サーバーエンジニアに求められるスキルも非常に多様です。

また、サーバーは悪意あるウイルス攻撃やハッキングの攻撃対象となることもあるため、サーバーエンジニアにはセキュリティ対策のスキルも要求されます。

インフラエンジニアやネットワークエンジニアとの違い

サーバーエンジニアはインフラエンジニアに含まれる職種です。そのため、インフラエンジニアはサーバーエンジニアの上位カテゴリーと考えるとわかりやすいでしょう。

なおサーバーエンジニアと並んでインフラエンジニアに含まれるのは、ネットワークエンジニア、データベースエンジニア、セキュリティエンジニア、クラウドエンジニアの4種類です。

ネットワークエンジニアはネットワークの設計や構築、運用や保守などを担当する職種なので、サーバーを担当するサーバーエンジニアとの連携はあるものの、担当範囲が明確に異なります。

サーバーエンジニアの仕事内容

ここでは、サーバーエンジニアの仕事内容を解説します。

サーバー設計

サーバーエンジニアはまず顧客や依頼者に対してヒアリングを行い、必要な機能や容量、パフォーマンスやセキュリティなどの仕様を明らかにします。そしてそれらの要件を整理し、目的に沿ったサーバーの設計を行わなければなりません。

また、指示された点をクリアするだけでなく、構築、運用、保守のしやすさも設計段階で考えておく必要があります。

つまり要件定義と設計工程がその後のすべてに影響するため、この業務を担当する人には技術的知識が豊富であることや、打ち合わせのスキルが高いことなどが求められます。

サーバー構築

要件定義や設計が終わって顧客や発注者の確認が取れたら、仕様書をもとにしてサーバー構築を始めます。この段階ではPCなどのハードウェアを扱うスキルと、ソフトウェアやOSなどに関する知識が必要です。

また、構築が終わったあとには正常な動作ができるかをテストする必要があります。

運用・保守

サーバーが業務に使用されるようになった後は、サーバーエンジニアは運用や保守を担当します。

サーバーの運用とは、サーバーが正常に動作しているかを知るために、トラフィック量やシステムの稼働状態を監視することなどを指します。運用や監視を人力でカバーするのは困難なため、システム化することが一般的です。

また、ソフトウェアのアップデートや物理的な機器交換、定期メインテナンスや問題発生時の対応などもサーバーエンジニアの仕事です。

クラウド対応(AWS・Azureなど)

近年は、AWSやAzureなどのクラウドサービスの利用が広まっているため、サーバーエンジニアにもクラウド対応が求められます。

AWS(Amazonが運用するクラウドサービス)やAzure(Microsoftが運用するクラウドサービス)、GCP(Googleが運用するクラウドサービス)などにはそれぞれの機能や特長があるので、十分に活用するには個別の知識が必要です。

サーバーエンジニアに必要なスキル

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この項目では、サーバーエンジニアとして働く人に求められるスキルを解説します。

サーバー関連の技術スキル

サーバーエンジニアは、名称の通りサーバー関連の技術スキルが要求されます。

OSに関しては、LinuxやWindows Server、MacOSやUNIXなど、複数を扱える知識をもっておくことをおすすめします。また、近年は仮想化したサーバーを使うことが一般的なので、VMwareやHyper-Vについて学んでおきましょう。さらに、サーバー関連の仕事ではクラウドサービスに関する知識も欠かせないものとなっているため、AWSやAzureに関するスキルも必須となっています。

加えて、サーバーを取り巻く環境は目まぐるしく変わっているため、上記の要素も一度学べば終わりというわけではありません。サーバーエンジニアとして第一線で活躍し続けるには、新しい技術に目を向け続けることが必須と考えてください。

セキュリティスキル

サーバーエンジニアはセキュリティに関する知識やスキルも求められます。ウイルスの脅威は常に存在していますし、サーバーへの不正侵入によって情報を盗むサイバー攻撃も企業に大ダメージを与えることがあります。

そのため、サーバーにアクセスできる権限の管理や、万一の場合に備えてシステムやデータのバックアップ管理を考えることも重要です。

コミュニケーション能力などのソフトスキル

サーバーエンジニアは、顧客や依頼者の要望の聞き取りや社内の打ち合わせを行う必要がありますし、設計・構築したサーバーの管理やトラブル対応などで人と接することも少なくありません。そのため、コミュニケーションスキルが高い方が有利です。

また、業務を適切に進めるにあたって、リーダーシップや自発性、チームワークや創造性などのソフトスキルも磨いておくよう推奨します。

サーバーエンジニアに役立つ資格

ここでは、サーバーエンジニアとして活躍するために役立つ資格を紹介します。

ITパスポート試験・基本情報技術者試験

ITパスポート試験はITの基礎知識を問う資格試験です。受験の条件は特にないので、IT業界初心者でも挑むことができます。資格取得を目指して学ぶことで、IT関連の基本的知識に加えて、企業コンプライアンスや経営戦略、財務や経理などのマネジメント・ストラテジ系の知識も獲得可能です。

基本情報技術者試験は、情報処理に関する基礎知識とスキルを問う国家資格の試験です。この資格をもっていれば、IT全般の基本的な知識があることを証明できます。また、国家資格なので就職や転職活動でのアピール材料として有効です。

CCNA/CCNP

CCNA(Cisco Certified Network Associate)は比較的初級のネットワーク技術者にもおすすめな資格試験です。ネットワーク機器に関して世界的シェアを持つシスコシステムズ社が運用する国際資格なので、海外の顧客にもアピールできます。

資格取得に向けて学習することで、ネットワークやセキュリティの基本的知識やIPサービス、IPコネクティビティなどが身につきます。

CCNP(Cisco Certified Network Professional)は、ネットワーク関連のプロ向けの資格です。CCNAと同様にシスコシステムズ社が運用する国際資格です。セキュリティやデータセンターなど5種類の資格があるため、専門的知識を生かして受験することをおすすめします。

LPIC(Linux技術者認定資格)

LPIC(Linux技術者認定)とは、Linuxの認定資格として世界でもっとも知られる存在です。1~3までのレベルがあり、LPIC-1は初級のLinux管理者向け、LPIC-2は中小規模の混合ネットワークを扱う管理者向け、LPIC-3は大規模なシステムを扱う上級者向けです。世界的な資格なので、海外企業と仕事をする際のアピールポイントとして有効です。

MCP(Microsoft認定プロフェッショナル)

Microsoftは多数の認定資格を運用していますが、ここではサーバーエンジニアにおすすめの資格として、Windows Serverハイブリッド管理者アソシエイトを紹介します。

近年はオンプレミスからクラウドに移行する例が多いですが、全体をクラウド化している企業はまだ少なく、ハイブリッド化しているのが現状です。この資格はハイブリッド環境を前提として、AzureでのWindows Serverの実装やネットワーク管理、仮想マシンやトラブルシューティングなどを扱う技術者向きです。

情報処理安全確保支援士試験

情報処理安全確保支援士(SC)はセキュリティ対策に精通し、後進の育成も可能なプロ向けの国家資格です。この資格を取得して登録すれば、情報系唯一の士業である「情報処理安全確保支援士」を名乗ることができます。

出題内容はシステム開発やネットワーク、ソフトウェア開発やセキュリティ、データベースなどの技術的内容に加えて、マネジメントやストラテジー(戦略)など多岐にわたります。

AWS認定資格

AWS認定資格はクラウドサービスとして世界的なシェアをもつAWSの認定資格です。

そもそもAWSはAmazonが運用するクラウドプラットフォームで、従量課金制度の仮想サーバーとして広く利用されています。そのため、この資格取得に向けて学習することがサーバーエンジニアの実務に役立ちます。

ソリューションアーキテクトやデータエンジニアなど分野に特化した資格が多数存在しており、初心者、中級者、上級者、スペシャリストなどレベルに応じた選択も可能です。

サーバーエンジニアの年収

Dodaが2024年12月に公開した「平均年収ランキング(職種・職業別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」によれば、サーバーエンジニアの平均年収は464万円でした。

ちなみに、国税庁が発表している「令和6年分 民間給与実態統計調査」(2025年10月16日現在、国税庁が出している情報では最新)では日本の給与所得者の平均年収は478万円なので、サーバーエンジニアは日本の平均年収とほぼ同等の収入を得られる仕事だとわかります。

サーバーエンジニアのキャリアパス

サーバーエンジニアのキャリアパスは、技術を極める道と管理職へ進む道の2種類に大別されます。

技術的方向では、サーバーの構築や運用に関する高度な専門知識とスキルを駆使し、プロジェクトの要件定義や設計といった上流工程を極める道があります。またWindowsやLinuxなどのOSに加え、近年需要が高まるクラウドサーバーへの対応力を持つことで、市場価値を高める方向も有効です。

もう一つは、管理職(マネージャー)としてのキャリアパスです。エンジニアチームのリーダーとして、プロジェクトの計画、進行管理、リソース調整などを行うプロジェクトマネージャーが代表的です。また、人材育成やマネジメントなどのビジネススキルを高めて、技術職から管理職にスライドしていく人もいます。さらに、経営や戦略的視点を鍛えて、ITコンサルタントへの道を歩む人もいるでしょう。

もうひとつの方向として、培った経験を活かし、他のインフラエンジニア職へキャリアチェンジする選択肢もあります。サーバーエンジニアの知識は、ネットワークやデータベース、セキュリティなどの関連分野に転身する基盤となります。

サーバーエンジニアのやりがいと大変さ

社会を支えるITインフラの基盤を担う使命感は、サーバーエンジニアにとっての大きなやりがいとなります。自ら構築・運用したシステムが円滑に動作し、ユーザーに快適なサービスを提供することで社会的貢献度の高さを実感できます。

また、システムの安定稼働という責任を果たし、課題を解決するたびに、エンジニアとしての技術的成長を明確に感じられる点も魅力です。プロジェクトが完了し、システムが正常に稼働した際の達成感も、この仕事の醍醐味です。

一方、サーバーエンジニアには大変さもあります。サーバーは24時間稼働するため、常時監視が必須です。システムに障害が発生した際は、昼夜休日を問わず対応しなければならない点も、多くのサーバーエンジニアが大変と感じています。夜間勤務や不規則な休み方が常態化する場合もあり、精神的負担を感じる人もいるでしょう。

また、システム基盤の責任者として、プログラマーや顧客など多くの関係者との連携や頻繁なコミュニケーションを求められる点でも大変です。

ネットワークエンジニアに向いている人

ここではサーバーエンジニアに向いている人の特徴を記載します。

新しい技術を学び続ける意欲がある人

サーバーを取り巻く環境は日々変化しているため、サーバーエンジニアには最新技術を取り入れることに喜びをおぼえる人、学習意欲が高い人が向いています。

コツコツ作業を続けられる人

サーバーエンジニアの作業には、セキュリティ対策やパフォーマンスチューニングなど細かい点が多数あります。そのため、地道な作業をコツコツ続けられる人はサーバーエンジニアに向いています。

トラブル時に冷静に対応できる人

サーバーエンジニアの重要な業務のひとつに、サーバー障害への対応があります。サーバーがダウンすると業務が麻痺することが多いため、早急な対応を迫られがちです。そのため、トラブル発生時に慌てることなく、冷静に対応できる人はサーバーエンジニアに向いています。

責任感があり、安定運用に価値を感じる人

サーバーは社会や企業活動を支える重要なインフラですし、長期的に使用されることが多いので、設計、構築、運用、保守のすべてに大きな責任が伴います。そのため、サーバーが安定的に運用できることに価値を見出し、責任感を持って仕事に取り組める人はサーバーエンジニアに向いています。

まとめ

サーバーエンジニアについて、仕事内容や必要なスキル、役立つ資格ややりがい、年収などをまとめました。近年はサーバーのクラウド移行が進む過渡期にあるため、新しい技術をもつサーバーエンジニアの存在が重視されています。

サーバーエンジニアに向いている人の特徴も解説しているので、サーバーエンジニアを目指す人はぜひこのコラムを参考にしてください。